交通機関班
私達の班では、交通機関内で消費する新しいコンテンツやサービスの提案を考えています。現在、交通機関には様々なメディアが入り込んでいます。例えば携帯電話やiPod、電車内のディスプレイなどもあげられるでしょう。しかし、それらのメディアで視聴することのできるものは、広告・天気予報・ニュース・占いなど既存のものにすぎないのではないでしょうか。もっと交通機関内ならではの楽しさがあるのではないかと私達は考えたのです。そこで交通機関の特徴を考えてみると、移動しているということがあげられます。その移動を活かし、移動する場所とリンクしたコンテンツやサービスを提案する。それは、今までになかった新しい表現になりうる。そして、私達の移動時間をもっと充実したものにできる。私達はそのように考え、実際に交通機関の移動に合わせたコンテンツの試作と検証をすることで、新しい表現の可能性を探ることにしました。
私達は移動に合わせたコンテンツの可能性を探ることを目的として、コンテンツの視聴の仕組み自体も提案できるような研究を行いました。実験の舞台として、三田と六本木を結ぶ「ちぃバス」というバスを対象に実験を行うことにしました。また実験の手段としては、バス内に持ち込めるのでiPodを使用しました。まず実験を進めるにあたって、バス内で人々は移動している場所をどのように認識しているのかを検証しました。そうした様々な検証の結果、漠然としている場所の認識をエリア・バス停・景色そのものというように3つに分けることになり、それぞれに合ったコンテンツを作成しました。
・試作品紹介
1、バス停周辺のスポット情報
バスで視聴することによって、お店などのスポットに興味を持たせるようなコンテンツを制作しました。お店自体がバスから見えるもの・見えないものの2種類のスポット情報を制作しました。お店がバスから見えないものは、バスを降りてからの行き方をコンテンツでナビゲートしました。ナビゲートの手がかりになるように、バスから見えるランドマークをコンテンツ内で紹介するなど、単なるお店紹介にならないようなスポットガイドづくりを工夫しました。
2、2、バスルートを舞台にしたストーリー
乗車するバスの中から見える景色が物語の舞台になることによって、ストーリーへの没入感を高め、移動時間が楽しくなるようなコンテンツを作りました。手元にあるiPodで視聴するストーリーと、窓から見える景色をより連動させるために、バスが進むにつれて物語を展開させ、見る景色を画面で指示するなどの工夫を行いました。
3、景色に絵や文字を重ねるコンテンツ
バスから見える風景を利用し、そこに絵や文字を重ねるコンテンツを制作しました。いつも見ている風景が違って見え、新鮮に感じられるのではと考えました。景色に重ねるものはバスの乗客に投稿してもらうというのを想定しています。このコンテンツを実際にバス内で視聴できるようにするためには、バス窓がディスプレイになるといった技術が必要になると思います。それは、実現の可能性が見えにくいかもしれません。しかし、景色に何かを重ねるというおもしろさと新規性をまずは感じてもらいたい。そんな気持ちで制作しました。
試作品をみることができます。
前半は文字を重ねたもの。後半は絵を重ねたものです。
景色に重なっている絵は、実際にゼミ員に景色の写真を配り書いてもらいました。
・この研究に関わって
とにかく自由に研究しています。実際にコンテンツやサービスを考えて形にしていくことはやりがいがある反面、苦労もあります。また自分達がおもしろいと感じることを追及すること、些細なことであってもきちんと議論していくことが大切だなと感じています。(Y・I)最初は、個人的な興味から始まった研究であり、どのように研究を研究たる形にしていく過程では大変なものでしたが、今まではぼんやりと感覚的に捉えていた物事が研究によって論理的に説明付けられることはとてもおもしろかったと思います。そして、何か月もの間、時間も頭も労力も多く費やしてきましたが、振り返ってみると非常に充実した研究活動であり、このような達成感が味わえるのは武山研究会ならではじゃないかと思います。(M・I)
三田と六本木をつなぐあの小さなちぃバスが、私達の研究の舞台でした。この研究のために、何回このバスに乗ったことでしょうか。「景色って何?」「移動と合うって何?」抽象的な概念から具体的な提案まで多くの時間をかけて話し合い、上手くいかなかったりしたこともたくさんありました。でも研究を終え改めて振り返ると、はじめてちぃばすに乗った時とは明らかに景色の見え方が変わったことを自覚します。一つ考え方を変えるだけで、日常はもっと面白くなる。来年もこの気持ちを大事にして研究に取り組みたいと思います。 (M・Y)
